教職課程の理念と公開情報

教員養成に対する理念及び認定課程設置の趣旨等(1)~(6)

  • (1)教員養成の組織

    1888年に設立され、群馬県において最も歴史のある私学である共愛学園は、聖書の言葉である「共愛=共生」を理念に掲げ、キリスト教主義を柱として教育活動を展開してきた。1999年には共愛学園女子短期大学を改組し、共愛学園前橋国際大学を開学させ、国際社会学部を設置した。その教育の目的を「国際社会のあり方について見識と洞察力を持ち、国際化に伴う地域社会の諸課題に対処できる人材の養成」とし、地域の人材育成を主眼に据えている。

    2025年度までは、1学部1学科2専攻(国際社会学部、国際社会学科、国際社会専攻・地域児童教育専攻)という小規模校ながら、多彩なカリキュラムを用意し、履修モデルとして5つのコース(英語コミュニケーション、国際、情報・経営、心理・人間文化、児童教育)を運営している。2026年度には、短期大学部を大学に統合するとともに新たにデジタル共創学部を設置する。2学部(国際社会学部・デジタル共創学部)となり、それぞれの学部に1学科(国際社会学科、デジタル共創学科)を有する形となる。国際社会学科は2専攻(国際社会専攻・地域児童教育専攻)を擁し、履修モデルとして6つのコース(英語コミュニケーション、国際、経営、心理・人間文化、学校教育、幼児教育・保育)を運営する。

    教員養成の中心である教職課程は、国際社会学科国際社会専攻において中学校教諭一種免許状(英語・社会)、高等学校教諭一種免許状(英語・地理歴史・公民)、国際社会学科地域児童教育専攻において小学校教諭一種免許状および幼稚園教諭一種免許状(2026年度~、現在申請中)の認可を受けている。

  • (2)教員養成の理念および認定課程設置の趣旨

    本学の教員養成の目標は、地域の人材を育成にある。この目標の根拠は、学校教員という職業が地域と密接にかかわりながら職務に従事し、地域と共に歩み続け、未来の地域人材の育成に直接携わる、極めて重要な地域人材であるとの認識に基づいている。

    教職課程設置の趣旨は、「国際社会のあり方について見識と洞察力を持ち、国際化に伴う地域の諸課題に対処することのできる人材の養成」という国際社会学部国際社会学科の基本的な使命のもと、より一層の地域貢献を実現する具体的な取り組みとして、教員養成を通じて地域振興の礎とすることにある。

    本学が目指す理想の教員像は、普遍的に求められる5項目の資質能力に加え、これからの時代に特に求められる3項目を備えた、地域に根ざした教育活動をより一層充実させることのできる、質の高さと知見の広さを兼ねそなえた、地域と共に歩むことのできる教員である。

    普遍的に求められる5項目は、「教育者としての使命感」「人間の成長・発達についての深い理解」「幼児・児童・生徒に対する教育的愛情」「教科等に関する専門的知識」「広く豊かな教養」である。これからの時代に特に求められる3項目は、「地球的視野に立って行動するための資質能力」「変化の時代を生きる社会人に求められる資質能力」「教員の職務から必然的に求められる資質能力」である。

  • (3)教員養成の計画

    教員養成の計画は、本学のカリキュラム編成の方針に基づき教職課程のカリキュラムとして策定している。本学では、どの免許種を目指す学生も幅広い学問領域を学べる環境を整備している。教職課程のカリキュラムは、「教職課程コアカリキュラム」に準拠して編成し、科目の系統性を履修系統図に示している。

    また、主体的・対話的で深い学びを実現すべく、プレゼンテーションやグループディスカッション、模擬授業などアクティブラーニングを積極的に取り入れ、課題を発見し解決する力を養っている。「教職に関する科目」をはじめ、「教育の基礎的理解に関する科目」の多くはアクティブラーニングを中心に構成されており、学生自身の課題発見・課題解決能力を育成するとともに、教員としてどのようにアクティブラーニングを実践するかを体験的に学べる内容となっている。

    教職課程教育を通じて育むべき学修成果(ラーニング・アウトカム)は、「卒業認定・学位授与の方針」に基づき、教職課程ディプロマ・ポリシーとして定められ、その達成状況は「教職履修カルテ」により可視化している。学修指標は、ディプロマ・ポリシーに基づいてシラバスにも明記し、教育課程における科目の履修系統を吟味したうえで、グローバル化する社会においても具現化すべく、総合的・体系的・有機的な教育を展開している。また、学科の教育目標に照らして教職課程科目の相互とその他の学科科目等との系統性の確保を図りながら、今日的な学校教育に対応した内容の工夫を施している。授業では、教材作成や評価基準の策定などに
    ICT 機器を活用し、情報活用能力の育成を図っている。各授業科目の到達目標および成績評価の基準・配点は、シラバスに明示している。

  • (4)教員養成と地域との関係

    本学の教員養成と地域との関係については、本学が所在する前橋市教育委員会と2008 年に「共愛学園前橋国際大学と前橋市教育委員会との連携に関する覚書」を締結し、それに先立つ 2006
    年には「前橋市立笂井小学校と共愛学園前橋国際大学との地域連携協議会覚書」を取り交わしている。これらに基づき、教育実習の受け入れ、学校支援ボランティア等が盛んに行われている。人事面では、前橋市内の小・中学校の退職校長や退職教員を教職支援室員や非常勤講師として採用するなど、人事交流もなされている。

    また、後述する「学校フィールド学習」は、地域児童教育専攻が開設以来、前橋市教育委員会の全面的な協力のもと、前橋市立笂井小学校との連携により、小学校現場における一週間程度の学習支援活動と、半期ごとの振り返り学習を必修としている。早い段階から学校現場での体験の機会を設けることで、将来、実践力のある教員の育成を図っている。

    隣接する伊勢崎市においては、「共愛学園前橋国際大学と伊勢崎市教育委員会との四ツ葉学園中等教育学校をはじめとする伊勢崎市立学校の教育活動への支援に関する覚書」を締結し、本学は伊勢崎市立学校のカリキュラムパートナーに位置付けられている。前橋市同様に、教育実習の受け入れ、学校支援ボランティア等が盛んに行われている。「教職実践演習」では、伊勢崎市教育委員会教育長が毎年来学し、卒業を控えた教職課程履修学生に対して講義を行っている。

  • (5)学校現場における体験活動の特徴的な取り組み

    学校現場における体験活動の特徴的な取り組みとして、「学校フィールド学習」がある。小学校教諭一種免許状取得のための教職課程履修者は、2年次から3年次にかけて前橋市立笂井小学校において1週間の学習支援活動を行う。この期間、学習指導(各教科等の授業補助)、放課後の指導補助(寺子屋活動など)、小学校のニーズに基づいた学習支援活動を実施する。履修終了後には、大学で振り返りの学習を行う。なお、「学校フィールド学習」の授業説明会、事前指導、事前訪問、事後指導等は、大学教員の担当者が実施する。学習支援活動の前週に個別に直前指導が行われ、学習支援活動週には担当教員が笂井小学校を訪問し、直接指導を行っている。

  • (6)教職指導

    教職指導としては、毎年4月初めの入学時オリエンテーションにおいて、本学教職課程が目指す理想の教員像を示している。教職課程ガイダンスでは、本学科が育成しようとする教員に求められる資質能力を周知するとともに、必要に応じて個別指導を行っている。また、「教職履修カルテ」を用いた自己評価により結果を蓄積し、授業での学びや自身の学修の進展について振り返る機会を設けている。

    教職へのキャリア支援は、教職支援室を中心に行われている。教職支援室の運営全般は、教職センターの合議によって行われ、具体的な実務は教職支援員が担っている。教職支援室には、学校の管理職等の経験を持つ2名の元教員が専任のアドバイザーとして配置されており、学生への情報提供や相談対応、講演会・ガイダンス等の企画・運営を担当している。また、群馬県および近隣県の教員採用試験の過去問題集や参考書などが備えられており、学生は日常的に教職支援室を訪れて、教員就職に向けた情報や希望する地区の教員採用状況などの情報を得ることができる。

    同室では、学生のキャリアへの意欲や状況を把握することに努めており、「教職支援カード」を活用した面談・助言や随時相談を行っている。それにより、目指す教師像に近づくための課題を学生と共に確認している。さらに、教職に関する各種情報(教職関連の新聞、雑誌、教員採用試験問題など)を整理し、学生に提供している。

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課程認定を受けている課程を有する学科等の各段階における到達目標

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