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在校生インタビュー
国際コース 2年河内 陽太郎 (明和県央高校出身)

社会学という学問に出会い変化した国際協力への思いと目指すもの

「貧困に苦しむ人を助けたい」という思いにひたむきに

共愛学園前橋国際大学を選んだきっかけは、大学教員をしている父の勧めでした。実は高校卒業後、一度は県外の大学の経済学部に入学したのですが、 3 年次に 1 年間の休学を経て中退をしています。その間、福祉施設の非常勤職員として働きながら、進路のことを見つめ直していた時に父から「大学教員の立場からみて、共愛学園は周りからの評価がすごく高いよ」と助言をもらいました。当時はまだ名前しか知らない存在でしたが、それがこの大学との出会いです。編入ではなく1 年次から共愛学園前橋国際大学に入学をしたのは、社会学を一から学び直したいという思いがあったからです。もともと「貧困に苦しむ人々を助けたい」という信念があり、そのためには経済学が最も有効だと考えていたのですが、何度か途上国を訪問するうちに自分が持つ「貧しさに対する偏見」に気づいたんです。訪問してきたフィリピンやマレーシアでは、不法移民集落やスラム街、ストリートチルドレンなどを目にしてきたのですが、そこで生きる人との交流を通じて、「貧しい」ということが悪いことではないと考えるようになりました。そこで経済学という分野から一度離れて、「社会の仕組み、人の暮らし」をもっと学ばなければといけないと強く感じるようになり、社会学を志しました。

貧しさに対する偏見を変えた「文化人類学」という授業

これまでに受けてきた授業の中で最も印象的だったのは、2 年前期で履修した国際コースの鈴木先生による「文化人類学」です。この授業では、「人間とは何か」という人類学の入り口を学んだのですが、ここでの学びによってこれまでの自分が解決主義的な考えにとらわれていたことに気づきました。つまり今までは「貧しい=解決すべきもの」としてとらえてきたけど、途上国で暮らす人々にはそれぞれの生き方や喜びがあるのだと気づかされたのです。

この授業を受けたことで、「自分らしく、人間らしく生きる」ということの大切さを改めて見つめ直すことができたと思っています。

地域総合支援を目指した
国際協力サークル「7th Vital Sign」を設立

去年の10月(1年の後期)に、国際協力サークル「7th Vital Sign(セブンス・バイタル・サイン)」を設立しました。自主ゼミから生まれた団体なので、思考・試作・議論が軸にあり、勉強会やワークショップ、ディスカッションなどが活動の主体になっています。

今後の活動方針についてはまだまだ青写真ではありますが、地域総合支援に取り組んでいきたいと考えています。以前関わっていた団体では給食支援と教育支援がメインでしたが、ここでは他大学とも連携しながら一つの地域に対していろいろな分野からアプローチがしてみたい。例えば食・教育・衛生・農業など、いろいろな分野を学ぶ学生や専門家の力をお借りしながら総合支援にチャレンジできたら最高だな!って。

だからサークル内でも、まずは予備知識をつけるために普段からさまざまな分野の勉強会を開いています。講師はメンバーの持ち回りで、それぞれの得意分野や興味のある分野を調べて発表しています。ときには外部講師をお招きすることも。これまでには、JICA群馬デスクの方から国際協力に関するお話を聞かせていただいたり、人材派遣会社の方からは就活やキャリア形成に関するお話を聞かせていただいたりもしました。

「7th Vital Sign(セブンス・バイタル・サイン)」の由来

呼吸・体温・血圧・脈拍・意識レベル・尿量の6つからなる「バイタルサイン(生命兆候)」。この言葉を初めて知った時「人間が生きている証はこの6つじゃ足りない」と感じ、その思いをサークル名に込めました。

生きているということは体が動くことだけじゃなく「自分らしく、人間らしく在る」ということも必要。これを7つ目のバイタルとして掲げ、「搾取や暴力に支配されることなく、人間が人間らしい生活を手に入れるための手助けがしたい」という願いのもと活動しています。

現在取り組んでいる活動

学内で「五感でわかるSDGs」をテーマにした企画展示会の開催を目指しています。現在は教育、フードロス、レッドリスト(絶滅危惧種)、フェアトレード(児童労働)、ジェンダーなどの班に分かれて、展示発表にむけて勉強中! 展示は文字情報だけでなく、視覚や聴覚、触覚など身体全体で体感してもらえるような内容にします。例えば、「レッドリスト(絶滅危惧種)」について紹介するコーナーでは、地球温暖化の影響で痩せたシロクマの胴囲を触って確かめてもらえるような立体模型を置く、といった案を検討しています。

目標は支援地訪問と具体的な支援活動を行うこと

コロナ禍なのでなかなか思うように活動ができていない状況ですが、来年の夏を目途に、海外の支援地訪問をひとつの大きな目標として掲げています。

これは私自身の経験ですが、実際に支援地を目の当たりにすると、自分の至らなさや無力さ、自分が育ってきた環境がいかに狭い世界だったのかを思い知らされます。サークルのメンバーたちにも、まずはそれを経験してほしいという願いがあります。

もちろん具体的な支援活動も行いたいので、支援地で実際に活動しているNGO団体などと連携ができればいいなと思います。特に今はコロナ禍なので、手作りのマスクや石鹸の普及活動でもいい。そこはメンバーと今後議論を重ねていきたいですね。

個人的にはモノを書くことが好きなので、将来は作家志望です。でも「自分で生きる環境を選べない人たちを苦しみから救いたい」という国際協力に対する思いは変わらずにあるので、それを作家として実現できればいいなと思っています。

自分ひとりが頑張るだけでは、救える地域も人も限られています。だけど、自分と同じようにそこに関わる人数を増やすことさえできれば、救える数は倍々に増えていく。それを、物書きとして伝えていけるようになりたいですね。

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