「SDGsと国際社会」授業でゲストスピーカーによる講演を行いました
2024.07.23
7月9日と同16日、5限「SDGsと国際社会」(担当教員:前川智美)授業にて、学外からのゲストスピーカーによる講演がおこなわれました。両日とも、SDGs(17の目標)のうち、とくに気候変動対策ならびにエネルギーの持続可能性に着目した講演でした。
9日の講演は、「SDGs概論と気候変動対策としてのネガティブエミッション技術」と題する、徳永友花先生(東京大学大学院農学生命科学研究科フォレストGX/DX協創センター 特任准教授)による講演で、とくに脱炭素に関する工学分野からの先端技術とその最新動向、キーワードについて、わかりやすく解説いただきました。

16日の講演は、「自動車販売会社とSDGs~GN群馬日産グループを事例に~」と題する、野口治也様(GNホールディングス株式会社モビリティ支援室 室長)による講演で、群馬県内で手掛けておられる脱炭素をはじめとする様々な事業実践事例をご紹介いただきました。

いずれの講演でも、受講生たちは、講師からのミニクイズなど問いかけに対し、グループで話し合って発表したり、直観で回答したり、参加型のレクチャーを楽しんだ様子でした。普段の授業とは異なる新鮮な雰囲気のなかでの学びは、これまでに得たSDGsに関する基礎的な知識や思考方法を再確認したり、疑ったり、発展させたりする機会になったようです。
【受講者の感想】
「正直、ネガティブエミッション技術という言葉は一度も聞いたことがありませんでした。名前と反して環境に優しい技術だと知り、面白いなと思いながらも、私たちの知らないところで様々な取り組みが行われているのだなと感じました。徳永先生のお話の中で『炭素の吸収や排出にお金が動く社会がくるかも? 』という言葉もありましたが、SDGsの目標達成に向けて段々と社会が動き出していく中で、私たちはそれを受け入れて生活していくことも大切なことなのではないかと感じました。」
「特に植林による植物の成長具合の価値についてのお話が印象に残りました。木などが何もない状態をマイナスとする考え方が自分とは違った考え方で、私は何もないならゼロからはじまるのではないのかと感じていました。しかし、徳永先生のお話を聞き、マイナス表現に納得することができました。また、木を切った後の切り株でも何もない状態と比較するとプラスになるということが面白いと感じ、植物の存在価値はとても重要視されていると感じられました。」
「今回の野口さんの話を聞いて色々なことを学ぶことができました。今、技術が急速に発展し、あちこちに電気自動車を見かけるようになっているなかで、SDGsにおける車の役割が想像以上に大きいことを理解することができました。特に印象に残ったことは、電気自動車でも全くCO2を排出しないわけではない、ということです。私は今まで電気自動車=CO2は全く使わない、電気のみで動いている、というイメージしかありませんでした。今回の野口さんの話を聞いてあらためて、SDGs達成に向けた車の役割の重要性に気づけました。」
「野口さんのお話を聞き、CO2削減への取り組みがしっかりなされていることを学びました。これまで、CO2削減に向けた取り組みはあまり進展していない印象であったため、目標は掲げていても実現は難しいと考えていました。しかし、今回の野口さんのお話から、CO2削減に向け、懸命に取り組んでいる人がいることを学び、私たち一人ひとりもしっかりと向き合うべきだと感じました。現在の私は、家から近くの店に車で移動してしまいます。今後は、できるだけ徒歩で移動するようにしたいと思います。小さな取り組みでも『塵も積もれば山となる』という言葉があるように、継続的に行っていくことが重要であると感じました。」