教員紹介
教授
小林 恵美
KOBAYASHI Emi
Profile
英語コミュニケーションコース教授。獨協大学外国語学部英語学科卒業後、イーオン上尾校主任教師を経て、 米国モントレー国際大学院大学 (現ミドルベリー国際大学院モントレー校)に進学。在学中に同大学Custom Language Services日本語非常勤講師、修了後、イーオン高崎校非常勤講師を経て、カナダに5年間在住した後、2003年に本学英語コース専任講師として着任。高崎経済大学経済学科兼任講師、本学英語コース准教授を経て、2015年より現職。
モントレー国際大学教育言語学研究科英語教育学修士(MATESOL)課程修了、豪州マッコーリー大学大学院言語学研究科応用言語学研究(PGCertLingRes)課程修了、英国スターリング大学大学院社会科学研究科教育学博士課程修了。PhD in Education取得。ロンドン大学高等教育実践コース(PGCertLTHE)およびハーバード大学教育学大学院専門職教育指導的リーダーシッププログラム修了。その他、TESOL International Association、英国シェフィールド大学およびノリッジ言語教育研究所の英語教師トレーナー講座を修了。専門は、教育言語学、英語教育学、教師教育研究。特にlinguistic ethnographyを用いたフィードバックやタスクの繰り返しに関する論文を出版。
学生へメッセージ
英語を専攻する学生にとって、当然のことながら英語は学びの対象であり、高い英語力を身につけることは大切な目標と言えます。しかし、それだけではありません。英語はコミュニケーションや学びの手段であり、自己を形成したり主張したりする術でもあります。私自身、 英語は日常生活の一部として欠かせないものとなっています。高校一年生の春にオーストラリアで1年間留学した時に実感しました。ホストファミリーと意志疎通を図るために、あるいは高校で友達を作ったり授業についていくために英語を学んでいき、また、英語を学ぶことで、数学や社会等の教科や現地の文化や習慣などについて学んでいくことができました。この交換留学がきっかけで学部で英語を専攻し、英語教育に興味を持ち始め、英語圏の大学院で学び 、英語教員・研究者として 専門性を身につけました。その他、カナダで数年生活する機会に恵まれ、研究を続けることができました。いずれの経験も英語を学んだからできたことです。是非皆さんにも、英語を使って色々なことを学んでいって世界を広げていってもらえたらと思います。
本学では、必修英語科目に加えて、教職科目や言語学関係の授業を担当しています。特に、ゼミでは、第二言語がどのように使用され、どのように習得されるのかをテーマにしています。言語と教育の密接な関係を念頭に入れ、第二言語習得(SLA)と外国語教育の接点を探求しています。様々な理論や研究について読み、自身の外国語学習経験について内省し、議論していくことで、SLA及び外国語教育に関する理解を深めていきます。SLAについての学びはもちろんのこと、学ぶための道具の一つとして重要な役割を担っている「ことば」の存在に気づき、その使われ方や役割に意識を高めて、自身のコミュニケーション能力を豊かにしていってほしいと願っています。カリキュラム上、3・4年生のゼミは別のものですが、互いのゼミへの参加や学祭の展示やその準備等様々な学内での活動、そして他大学との合同合宿での交流を通して、ゼミで扱っている理論を実体験から学んでもらえたらと考えています。また、この十数年英語教員養成に携わってきていますが、言語学習・言語教育の知見に基づき、教師教育における「証拠に基づいた省察」と「対話を通じた省察」の役割を研究しています。中学校や高等学校の英語の授業はもちろん、小学校から大学まで、英語以外の科目の教育におけることばの役割に大変関心があります。できる限り教育実習先等教育現場にお邪魔し、教員養成や教員研修にも積極的に関われていけたらと考えています。
研究内容について
専門は、第二言語習得(SLA)、英語教育学、教育言語学です。SLAは、人が母語以外の言語をいかに身につけていくのかを科学的に解明しようとする研究分野です。言語学、心理学、言語人類学、教育学、社会学、脳科学等様々な分野の知見を取り込んだ学際的な分野ですが、私は特に教育学、言語学の視点から研究に携わっています。特にSLAにおける協働活動の役割に興味があり、長年研究しています。英語教育学は、英語の教え方を学ぶことと思われてしまいがちですが、様々な理論や方法を用いて、英語を第二言語(或いは外国語)として教えること・学ぶことを探求するもので、英語教員を目指す皆さんには特に関係する分野と言えます。家族に付き添って渡ったカナダでは、ブリティッシュコロンビア大学のBernard Mohan教授の研究グループで、機能文法や言語社会化について学び、共同研究に参加する機会に恵まれました。特に、先生が1980年代に提唱された『知識の枠組み』を理解することによって、言語と内容を統合した教育の意味を根本的に考え直すことができました。ここ数年行っているプロジェクトでは、社会言語学とエスノグラフィーを融合したlinguistic ethnographyと呼ばれるアプローチを用いて、英語教職課程の学生の学びを研究しています。さらに、教育言語学の視点から、日常生活、特に教育現場におけることばの役割に興味があります。外国語教育に限らず、他の教科でことばがどのように使われてどのような学びの機会が作られたり、逆に制限されたりしているのかにも興味があり、特に、内容言語統合型授業における学びのプロセスも研究しています。
担当科目
英語科教育法I / 教育言語学I・II / 言語学I・II / Unified English I・II / Written English I・II / 課題演習Ⅰ・Ⅱ / 卒業研究 / 基礎演習Ⅰ・Ⅱ