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共愛学園創立130周年 特別対談

特別対談 「明日への課題 人と未来を創る」

共愛学園前橋国際大学 大森昭生学長  ×

「ふるさとチョイス」運営会社 トラストバンク 須永珠代社長

 

 須永珠代社長(左)と大森昭生学長=トラストバンク本社(東京都目黒区)

 

 共愛学園前橋国際大学(前橋市小屋原町)は国際的な視野を持ち地域で活躍する「グローカル」人材育成を掲げ、地域連携と国際教育の両面で高い評価を受けている。教育改革を先導する大森昭生学長と、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を運営する「トラストバンク」(東京都)の須永珠代社長(伊勢崎市出身)。異なる現場で地方創生のビジョンを描く2人が上毛新聞紙上で対談し、「明日への課題」について語り合った。

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  • ●地域を先生に 成功と失敗学ぶ●
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  • 大森 須永さんは、ふるさと納税の情報を集めたサイト「ふるさとチョイス」を開設して、新たな商品や情報の流れを生み出した。「ふるさとチョイス」はビジネスと地域貢献をつなげた点が素晴らしい。

  •  本学は社会貢献に対する目的意識が高い学生が多く、起業で社会の課題を解決した須永さんはロールモデルであり憧れだ。  

 

須永 「ふるさとチョイス」開設のきっかけは父の言葉にある。ネット通販で物を買おうとした私に対して「それでは地元にお金が落ちない」。安さや利便性など自分だけの視点では、地元で物を買う意味は分からなかった。

 地方衰退はなぜ起こるのか。物が売れないと仕事や収入が減り、人が流出して産業が消えていく―。この負のスパイラルを変えるためには、情報通信技術(ICT)で人と物を循環させ、地域経済を活性化する仕組みが必要だと分かった。

 

大森 AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)によって情報や知識の共有が進む「ソサエティー5・0」時代には、課題解決と先進技術、ビジネスを結び付ける力が求められる。本学の学生は教室で理論を学び、地域の〝先生〟の下で実践を学ぶ。

 具体的には、県内企業や自治体と協働で行う長期インターンシップや地域課題解決プロジェクトなど。地域で成功と失敗を繰り返すうちに、社会で自分が役立っているという「自己有用感」が養われていく。

 人生100年時代を迎え、社会人が大学などで学び直す「リカレント教育」も、今後ますます重要になると感じている。卒業後も学生が自らの知識を高められるように、本学では学び続ける姿勢を身に付けることを重視している。

 

須永 学校で得た知識は、学外活動や仕事を通じた実践によって自分のものになった実感がある。社会に出てから必要な知識に気付くこともあり、今は経営や人間心理の分野に興味がある。話を聞いて、一度、共愛学園前橋国際大学で学んでみたいと思った。

 

大森 社会人入試もあるのでぜひ(笑)。

 

  • ●社会で役立つ 実感得て成長●
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須永 パソコンの前で作業しているだけだと、自分の仕事が誰の役に立っているのか分からない時がある。トラストバンクはIT企業だが、地域とのリアルなつながりを大切にしている。漁師さんに教わりながら地引き網漁をしたり、販路拡大につながった農家の方の声を聞いたり。AIやIoTというと技術面に目が行きがちだが、実際は誰と何をするかというミッションを描く力の方が重要だ。

 

大森 共愛学園の教育理念に「共に愛し、共に生きる」という考え方がある。社会の中で他者と共に生きるには、先ほど触れた「自己有用感」が重要だ。自分が社会に役立っている感覚は、他者と協働するコミュニケーション能力の基礎になる。

 

須永 資本主義が成熟すると、自己実現や誰かのためにお金を使いたいという欲求が高まってくる。今年7月に大きな被害をもたらした西日本豪雨では、「ふるさとチョイス」を通じて100自治体から13億円以上が寄付された。このうち29自治体は、被災自治体のふるさと納税業務を代行する「代理寄付」を申し出てくれた。

「ふるさとチョイス」の開設から6年。全国の自治体職員が交流する講習会を続け、これがきっかけとなって自治体間のつながりや視野が広がったという方も多い。「ふるさとチョイス」で気付きを得た職員が地方の中で活躍する―。そんなリアルな教育の場になっている実感がある。

 

 

大森 本学では4年間のカリキュラムを通して学生を成長へと導く。ある学生たちは、地元企業との商品開発や海外のビジネス研修で鍛えられ、3年次に考えたビジネスプランで「群馬イノベーションアワード(GIA)」に入賞。卒業後、地元企業の支援を受けながらそのプランの実用化に取り組んでいる。

今の自分があるのは4年間をこの大学で頑張ったからだ―。学生がそう思える大学にしたいし、実際に成長を実感していることをデータが裏付けている。

 

  • ●視線は世界に地域を自分事化●
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須永 ネットによる情報共有が進み、配送や移動にも自動化の波が押し寄せている。目の前の風景が数十年後に同じとは限らず、中央や地方の差はどんどんなくなっている。変化の時代において、主体性を重視する共愛学園前橋国際大学の教育には大きな可能性を感じるし、「自分はこれをやりたい」という覚悟を持った人材をもっと地方から生み出してほしい。

 

大森 本学の学びはちょっと大変だ。教室の中でも外でも、仲間と協働し主体的に取り組む実践的な学びが多数ある。また海外プログラムも地域と連携して展開している。そういった学びを通して、地域を「自分事化」するマインドを醸成し、海外で活躍する地元企業を知ることで世界から地域を俯瞰(ふかん)する視点を養っている。

「地域の未来は私が創る」と胸を張って言える人材を育成したいし、事実、多くの学生が県内に就職している。

須永さんは東京から地方を元気にするための人と物の流れを発信している。本学は国際的な視野を持ちながら地域をけん引する人材、グローカル・リーダーの育成に群馬で取り組んでいく。共に地方を元気にしていきたいと思う。

 

<プロフィール>

すなが・たまよ 1973年、伊勢崎市生まれ。大学卒業後、派遣社員やITベンチャー勤務を経て2012年にトラストバンク設立。同年にふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を立ち上げた。日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2016」大賞

おおもり・あきお 1968年仙台市生まれ。東北学院大学大学院文学研究科博士前期課程修了。共愛学園前橋国際大学国際社会学部長、同大副学長などを歴任。専門はアメリカ文学、男女共同参画論。「全国の学長が注目する学長」第3位(大学ランキング2019)

 

「共愛学園前橋国際大学 学びの特色」

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  • ■高度な学びで主体性□

 グローバル化やAIの普及で、思考力や課題解決力が重視される中、共愛学園前橋国際大学の主体的で協働的な学び、いわゆるアクティブラーニングによる教育改革が全国から高い評価を受けている。全授業の82%でアクティブラーニングを導入。専用の教育施設「KYOAI COMMONS(共愛コモンズ)」を拠点に、グループワークやディスカッション、課題解決型学習が展開される。

アクティブラーニングの〝教室〟は地域や海外に広がる。自治体や企業での4カ月のインターンシップや仮想企業による地元特産品の商品化など「地学一体」の人材育成に取り組む。

語学や体験型の海外研修も豊富で、海外留学プログラムも卒業生の約半数が経験。特にハードとされる「ミッショングローバル研修」では、伊勢崎市の企業、サンデンホールディングスのタイにある海外法人を拠点に、実践的にビジネスを体験する。学生はバンコクの街に一人またはチームで出掛けてビジネスミッションをこなし、国内と同じように実力が発揮できるかを実践で試す。

本年度からは、より高度な学びを提供するプログラム「共愛グローカルオナーズ」が始まった。英語の議論や海外研修、ビジネスに必要な数的処理を学び、実社会と国際化に対応するための力を養う。3・4年次はゼミの演習を通じて、課題を解決する「イノベーター」と課題設定を行う「アナリスト」という二つのタイプのグローカル・リーダーを育成する。

 

  • ■教育の質 高く評価□

 従来の大学とは異なるイノベーティブな教育は、文部科学省が推進する複数のビッグプロジェクトに採択されている。「スーパーグローバル大学等事業・経済社会を牽引(けんいん)するグローバル人材育成支援(GGJ)」「大学教育再生加速プログラム(AP)」「地(知)の拠点整備事業(COC)」「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」の四つで、これら全てに採択されているのは全国で2大学だけ、私大では唯一となる。先端教育のモデルとして注目され、全国から視察や講演依頼が後を絶たない。

 

企画・取材 上毛新聞社

 

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